『宇宙は本当にひとつなのか-最新宇宙論入門』村山斉(ブルーバックス11/7)を読む

宇宙創生のカギをにぎり、しかも宇宙を構成するエネルギーの96%を占める未だに謎の暗黒物質や暗黒エネルギー。
そこから宇宙とはいったいどのような姿をしているのか、その宇宙はわれわれの見る一つに限られているのか。
いや実は,ということで多次元宇宙と多元宇宙についての最近のトピックスをおりまぜながら、宇宙とは何かを考える。

 というマクロの話にはさんで、天の川銀河から230万光年先に位置するアンドロメダ銀河とは相互の引力が作用していて,両銀河は少しずつ接近しつつあり、約45億年後には衝突すると予測されている、とのこと。
 素人のロマンチシズムをも掻き立てる宇宙論議は、地上の政治・経済議に比べてかなり愉しいものにさえ思えて来る。

〈村山斉〉1964年東京生まれ。東京大学国際高等研究所数物連携宇宙研究機構初代機構長、特任教授。カリフォルニア大学バークレー校物理教室教授。専門は素粒子物理学。2002年西宮湯川記念賞受賞。
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