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<歴史上の人物の身長(2010年8月30日 読売新聞)>

「科学のスパイスで、歴史を楽しむ」というコラムを、科学部長谷川聖治デスクが書いている。

 <山梨県甲州市に住む歴史研究家、矢崎勝巳さん(70)は、自宅敷地の測量をしていた5年前、「身長を割り出せば、自分と置き換えて考えるだろう。写実的な肖像画を手がかりに計算できるはずだ」と思いついたという>
 < 過去の膨大なデータから、人間の手足の管状の骨(長管骨)の長さと身長はきれいな相関がある。大腿骨が最も相関が高いとされるが、上腕骨(二の腕の骨)で も推定が可能だ。解剖学者らによって上腕骨の長さから身長を算出する推定式がわかっている。中学の時に学ぶ1次関数(y=ax+b)の式だ。この関係式 は、時代、人種によって異なるが、発掘した骨から身長を推定する考古学、白骨死体の身元確認など犯罪の科学捜査で今も使われている>

 ということで、矢崎勝巳さんは甲州所縁の,武田信玄は162センチ(室町期の男子平均157センチ)、樋口一葉は140・9〜146・1センチ(当時の24歳の平均身長146・1センチ)などを証明。
さらに徳川家康169センチ、坂本龍馬の場合は、写真の着物の襟の幅から169センチとなった等々。

 更には,今から50年以上も前に、ドイツの人類学者のマーティンらは、欧州人の眼裂幅を時代別、国別に明らかにし、発表していた。文献を調べ、これを利用しようと思った。

 これによりランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットは、154センチと出たなど。

 < 歴史の重要人物を研究するのは、学者だけの仕事ではない。一般の人でも新しい見方を提示できることを訴えたかった。歴史を楽しむ一つの手法を多くの人に 知ってもらえればうれしい」と語る。今では体重を割り出し、メタボだったかどうかを割り出す研究に興味を持つ>とのこと。

 コラム は<既存の考え方に行き詰まった時や、斬新なアイデアを引き出したい時、そこに少しの科学のスパイスをまぶす。そうすると新たなものの見方が開けて いく。矢崎さんが提示した歴史の楽しみ方は、いくつになっても、ほんの小さな科学的なものの見方が人生の幅を広げてくれることを教えてくれている気がする >と結んでい
る。

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 このほんの小さな<科学的なものの見方>が,人生の幅を拡げるだけに止まらず、この社会のあり方を考えるにも必要なものではないか、ということを感じた。(K)