<ノーベル賞・大隅さん、若手研究者にエール 「一回だけの人生、挑戦を」>東京新聞16/10/5
「昨日から取材続きで寝不足。家で一杯飲めば実感が湧くと思う」。ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった東京工業大栄誉教授の大隅良典(おおすみよしのり)さん(71)は四日、研究室がある横浜市緑区の同大すずかけ台キャンパスで開かれた会見に妻の萬里子さん(69)とともに出席。一夜明けの心境を述べた上で「一回だけの人生なので、チャレンジしてほしい」と若手の研究者に向けてエールを送った。 (梅野光春、志村彰太)
大隅さんの受賞理由は、細胞内で栄養をリサイクルする仕組み「オートファジー(自食作用)」の解明。三日から取材が殺到した大隅さんは「いま、実はオートファジー状態」と、食事を取れない忙しさを冗談めかして表現した。萬里子さんが「ぜいたくな人ではないから、ご飯とみそ汁と魚でいいかな」と質素な祝宴を提案すると「とにかくビールが飲みたい」と応じた。
大隅さんは米国留学中、研究成果に恵まれなかったことを振り返り「すぐに成果が出なくても、五年先、十年先を考えて問題を設定してほしい」と心構えを説いた。今後の基礎科学のあり方には「文教予算は戦闘機一機に比べれば大したことない。今の倍にしても国力からすれば問題ない。企業も大学に資金を出してほしい」と注文を付けた。
会見場には、東工大の研究者や学生も詰め掛けた。同大化学生命科学研究所の助教野亦(のまた)次郎さん(36)=生化学=は一年前、実験中に「至福の時だね」と声を掛けられたことがあり、大隅さんの気さくな人柄に魅力を感じている。この日の一時間にわたる会見も傍聴し「研究が年単位でうまくいかないことがある。きょうの大隅さんの言葉で勇気づけられた」と話した。
またキャンパス入り口前には「ノーベル賞受賞おめでとうございます」と書かれたポスターが貼られ登校する学生が記念撮影するなど祝賀ムードに包まれた。
<国内最速のスパコン始動…「京」の2・2倍>16/12/02/ 07時36分/読売新聞
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本事典の特長 | |||
●人間科学領域で用いられる重要な中項目257を選定。 日本生理人類学会 編
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<歴史上の人物の身長(2010年8月30日 読売新聞)>
「科学のスパイスで、歴史を楽しむ」というコラムを、科学部長谷川聖治デスクが書いている。
<山梨県甲州市に住む歴史研究家、矢崎勝巳さん(70)は、自宅敷地の測量をしていた5年前、「身長を割り出せば、自分と置き換えて考えるだろう。写実的な肖像画を手がかりに計算できるはずだ」と思いついたという>
< 過去の膨大なデータから、人間の手足の管状の骨(長管骨)の長さと身長はきれいな相関がある。大腿骨が最も相関が高いとされるが、上腕骨(二の腕の骨)で も推定が可能だ。解剖学者らによって上腕骨の長さから身長を算出する推定式がわかっている。中学の時に学ぶ1次関数(y=ax+b)の式だ。この関係式 は、時代、人種によって異なるが、発掘した骨から身長を推定する考古学、白骨死体の身元確認など犯罪の科学捜査で今も使われている>
ということで、矢崎勝巳さんは甲州所縁の,武田信玄は162センチ(室町期の男子平均157センチ)、樋口一葉は140・9〜146・1センチ(当時の24歳の平均身長146・1センチ)などを証明。
さらに徳川家康169センチ、坂本龍馬の場合は、写真の着物の襟の幅から169センチとなった等々。
更には,今から50年以上も前に、ドイツの人類学者のマーティンらは、欧州人の眼裂幅を時代別、国別に明らかにし、発表していた。文献を調べ、これを利用しようと思った。
これによりランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットは、154センチと出たなど。
< 歴史の重要人物を研究するのは、学者だけの仕事ではない。一般の人でも新しい見方を提示できることを訴えたかった。歴史を楽しむ一つの手法を多くの人に 知ってもらえればうれしい」と語る。今では体重を割り出し、メタボだったかどうかを割り出す研究に興味を持つ>とのこと。
コラム は<既存の考え方に行き詰まった時や、斬新なアイデアを引き出したい時、そこに少しの科学のスパイスをまぶす。そうすると新たなものの見方が開けて いく。矢崎さんが提示した歴史の楽しみ方は、いくつになっても、ほんの小さな科学的なものの見方が人生の幅を広げてくれることを教えてくれている気がする >と結んでいる。
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このほんの小さな<科学的なものの見方>が,人生の幅を拡げるだけに止まらず、この社会のあり方を考えるにも必要なものではないか、ということを感じた。(K)
<最大の危険地帯は南関東! 『週刊MEGA地震予測』ユーザー大会で発表>
先月、2016年9月25日に東京・青海の日本科学未来館で開催された、地震科学探査機構(以下、JESEA)が発行するメルマガ『週刊MEGA地震予測』の第2回ユーザー大会。その席上、日本最大の地震予測メルマガとして震度5以上の地震を幾度も的中させてきたJESEAから最新の地震予測が発表された。
リアルタイムの地震予測実現へ!プライベート電子観測点の設置
JESEA顧問であり測量工学の世界的権威、村井俊治東大名誉教授が講演に立ち、今後、独自のプライベート電子観測点の設置について発表。これにより、短い期間で高精度な地震予測が可能になると述べた。
NTTドコモの協力を得て2015年から設置が始まったプライベート電子観測点は、2015年5月25日の埼玉県北部地震(M5.5、最大震度5弱)、5月30日の小笠原諸島西方沖地震(M8.5、最大震度5強)、9月12日に首都圏地震(M5.2、最大震度5弱)、2016年では5月16日の茨城県南部地震(M5.5、最大震度5弱)や7月27日の茨城県北部地震(M5.4、最大震度5弱)において、それぞれ直前の異常変位を捉えており、村井名誉教授の話を実績面から裏付けている。
続いて、今村遼平理学博士による発表「地震災害から身を守る知恵」、向山栄氏による発表「航空レーザー計測による地震前後の地殻変動解析」に続き、村井名誉教授が再登壇。読者からの質問に答える形で、今、最も危ない地域について解説を行った。
南関東が危ない!首都を震度6以上が襲う可能性も。
現在、JESEAがもっとも危険と考えているのは小田原沖。メルマガ週刊MEGA地震予測の中で「警戒レベル5」とされている南関東地方、特に太平洋沖を震源とする巨大地震が首都圏を襲う可能性について、改めて村井名誉教授から根拠が示された。
1週間異常変動が起きている
千葉県北部と南部、茨城県の北茨城と筑波など、近い地域が正反対の方向を向いている。この状況は非常に危ない。
2駿河湾付近で沈降が進んでいる
火山噴火は地面の隆起に注意するものだが、地震では沈降に着目する。現在、富士山の西側や御前崎で6月前に比べ沈降が進んでいる。
関東大震災は小田原周辺で地震が起きた。小田原で地震が起きた場合、軟弱な地盤が多い東京都は、かなり揺れると考えられる。また、八丈島が沈降しているのに対し、大島や三宅島は隆起していて、歪みが溜まっている。差異が大きくなると地殻が我慢できなくなる。
地殻の歪みによる、地震のきっかけには様々なことが考えられる。毎年夏場に地下水を汲み上げている三和では沈降が進み、北茨城との差が約7センチに達している。月の満ち引きや台風などの低気圧が、トリガーとなって地震が起こる可能性だってある。
3水平方向変位の向きがバラバラである
伊豆半島南部、大島、新島、八丈島は西変位、その他の地域は東変位している。千葉県北部の干潟は東変位、館山は西変位しており、格差は約8センチに達している。更に伊豆半島、駿河湾付近の水平変位が複雑に異なる方向を向いており、非常に不安定である。
「太平洋沖を震源とし、南関東地方を震度6程度の大地震が襲う可能性は十分にある。脅かすわけではないが、ここ数ヶ月、来年のはじめ辺りまでに注意して下さい」と警鐘を鳴らし、ユーザー大会をしめくくった。
一人でも多くの人を救いたいと願い研究を続けてきた村井名誉教授は「恐れるのではなく、早めの備えを促したい」と繰り返した。いつ起きてもおかしくないという南関東地震も含め、最新の地震予測情報はJESEAの発行するメルマガ『週刊MEGA地震予測』で毎週水曜日に配信されている。