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<海保「灯台放送」が終了へ 船に気象情報流し67年>

<信毎web>

海上保安庁が沿岸を航行する船に風向きや風速といった気象情報を提供するラジオ放送「船舶気象通報」が30日正午で終了する。1949年の開始以来67年間、船舶関係者や無線愛好者から「灯台放送」と呼ばれて親しまれてきたが、スマートフォンなどでも同じ情報が入手できるようになったため、役目を終える。

 「各局、各局、各局、こちらは八丈島」などのコールで始まる灯台放送は周波数1670・5キロヘルツで、毎正時ごとに全国29地点の観測情報を、決まった順番で読み上げる。1地点当たり1~2分で、1時間で一巡する。

(9月28日8時36分)

<木星の衛星エウロパ、表面で水噴出か 高さ200キロ>

<朝日新聞>ワシントン=小林哲(2016年9月27日11時00分)

 

米航空宇宙局NASA)は26日、木星衛星エウロパの表面で、間欠泉のように水が噴き上げられたとみられる現象をハッブル宇宙望遠鏡による観測で見つけた、と発表した。探査機が近づいて間欠泉の成分を調べれば、エウロパの地下に広がるとされる海の成分や、生命の存在の証拠が見つかるかもしれないという。

 NASAによると、エウロパが地球と木星の間を横切った際の紫外線映像を分析。10回のうち2014年の3回で、高さ最大200キロに達する間欠泉のような噴出が確認された。NASAの別の研究でも間欠泉の存在が有力視されており、今回の発見でより確実になった。

 エウロパは地球の衛星である月よりやや小さく、表面は分厚い氷で覆われている。木星の重力による影響などで内部に熱が生じ、氷の下には広大な海があるとされる。内部まで太陽光は届かないが、地球外生命が存在する可能性が指摘されている。NASAには、20年代にエウロパ探査機を送る計画がある。

<38億年前の大陸誕生を再現? 西之島、安山岩で組成>

<朝日新聞>野中良祐(2016年9月27日18時38分)

 

噴火によってできた小笠原諸島西之島が、38億年前に地球で大陸が誕生した過程を再現している可能性を示す研究を、海洋研究開発機構のグループが発表した。27日、研究成果が英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 同機構の田村芳彦上席研究員(地球科学)によると、地球上の大陸は主に安山岩で出来ている。一方、海底火山からは玄武岩のマグマが噴出することがわかっており、海に覆われた初期の地球から、大陸がどのようにできたのかは謎だった。

 グループは伊豆諸島小笠原諸島の地殻の構造や、海底火山から噴出する岩石を調査。地殻の厚さが30キロメートル以上の伊豆諸島玄武岩が生成され、30キロメートル未満の小笠原諸島では安山岩ができていた。

 地殻が薄いと下にかかる圧力が小さく、水分を多く含んだマントルからマグマが分離する。マグマの成分が濃くなり、二酸化ケイ素が多い安山岩ができるとみられる。田村さんは「西之島の噴火は単なる島の拡大だけでなく、初期地球を模している」と話している。

<8300年前の埋葬人骨を発掘 縄文人の生活実態解明へ>朝日新聞(16/9/19)

縄文時代の居家以岩陰(いやいいわかげ)遺跡(群馬県長野原町長野原)から出土した人骨が、約8300年前に埋葬されたものであることが分かった。発掘調査を進める国学院大学によると、埋葬人骨としては国内最古級だという。確認されただけで6体の人骨があり、多数の遺物と合わせて山間地における縄文人の生活実態の解明につながると期待されている。

 

 同大の谷口康浩教授(先史考古学)らのチームが2年前から調査し、約4メートル四方の区画でこれまでに成人や小児など6体分の全身骨や骨の一部を確認した。このうち深さ約80センチから出土した成人の骨の年代測定から、縄文時代早期中葉の約8300年前のものと推定した。

 

 この人骨は地面に掘った土壙(どこう、墓穴)の中でひざを折り曲げ、体を丸めた姿勢で見つかった。縄文早期以降に多く見られる「屈葬」という埋葬方法で、周辺からは遺体が身につけていたとみられる貝殻で作ったビーズ玉も見つかった。

 

 15~16日にこの一体を土壙から取り出して調べたところ、全身骨がほぼ完全な形で残っていた。骨の分析を担当する東大の近藤修准教授(形質人類学)は「保存状態は良く、多くの情報が得られると期待している」としている。DNA分析をするなどして、性別や年齢、遺伝的な特徴を調べる。

 現場は沢の斜面を登り切ったところにあり、崖の下部がくぼんで雨がしのげるようになっている。1万5千年ほど前から住居や埋葬地として繰り返し利 用されたとみられ、煮炊きやたき火で出た灰が堆積(たいせき)。人骨はその下から見つかり、アルカリ性の灰が骨の腐食を防いだらしい。

 

 調査チームは、6体以外にも多数の人骨が埋葬されているとみて調査範囲を広げる考えで、より古い年代のものが見つかる可能性もある。

 同時期の埋葬人骨は長野や栃木、千葉などの各県でも出土しているが、これほど密集して見つかった例は珍しいという。現場からは土器や石器、ニホンジカやイノシシの骨、植物の種も大量に出ており、谷口教授は「初期縄文人の山間地での行動や生活実態を知る手がかりになる。人骨の分析と合わせ、縄文文化の確立過程の解明につなげたい」と話している。(土屋弘)

『 心はどのように遺伝するか―双生児が語る新しい遺伝観 (ブルーバックス00/10)

遺伝現象について、それは生理的な遺伝子と社会的環境によって発現するということ。極めて常識的によくわかる。しかし世間にはこのことについても、どちらかの事象に偏った見解が多々あるようだ。このようなことは普通考えもしないで過ごしているが、改めて見ると面白い。ただ、これから16年を経過した現在、どのような進展が見られるのか、最近の本も読んでみたい。

▶<庭を歩いてメモをとる>http://yositeru.hateblo.jp/entry/20110106/p1

 

人間の心や行動が遺伝からどの程度影響を受けているのかについて記した本です。

研究手法

このことを明らかにするため、この本には双子を使った研究が頻出します。一卵性双生児は、二人ともまったく同じ遺伝子を持っています。確率的に、同じ遺伝子を持った人間というのは一卵性双生児以外存在しません。二卵性双生児は、遺伝子の一致度が一卵性のおおよそ半分です。

そ こで、ある行動や性格について、一卵性双生児の類似性と二卵性双生児の類似性を比較すると、それらがどのくらい遺伝の影響を受けているかがわかります。お おざっぱに言うと、一卵性のほうが二卵性より二倍似ていれば、それは純粋に遺伝の影響と言える可能性が高いです(実際には、双生児が共有している環境に影 響を受けて似てくる側面もあるので、二卵性でも一卵性の半分よりは多く類似性を持つようになりますが)。一方、一卵性も二卵性も同じくらいの類似度であれ ば、それは遺伝の影響は受けていないと考えられます。

 

遺伝の影響を受ける「心」

この方法で統計をとると、遺伝の影響が強いもの・弱いものがわかります。強いものは、指紋隆線数(遺伝の影響度0.92)、体重(0.74)、身長(0.66)。次に強いのは知能

(0.52)、外向性(0.49)、職業興味(0.48)、神経質(0.41)。低いのは創造性(0.22)、宗教性(0.10)。身体だけでなく、心の傾向も遺伝の影響を受けていることがわかります*1

も ちろん、私たちが認知できる身体や心の特徴は、遺伝の影響を受けているといっても、様々な働きをする遺伝子が組み合わさって発現されるものがほとんどなの で、「一卵性では似ている(つまり遺伝の影響にある)のに、二卵性ではほとんど似ていない(遺伝子の組み合わせが異なるので似ていない)」という特質も多 いです。具体的には、自閉症アルツハイマー痴呆などです。

また、遺伝の影響は、時間とともに変わります。代表的なものは知能指数で、一卵性の類似度は成長とともに強くなります(本書に載っていたグラフでは成年になるまでです)(なおこれは、認知能力に特有の傾向で、外向性や神経質といったパーソナリティ特性では見られないそうです。)。

つまり、心や知能なども遺伝の影響は受けるものの、それがどの程度のものになるかはケースバイケースということになります。遺伝と環境の影響がどのような特質(表現型)になるかは、遺伝子そのものの組み合わせでも変わるし、環境からの影響も受けるというわけです。

遺伝か環境か

著者はこれを、音楽にたとえています。楽譜が遺伝子、演奏家が環境、演奏が表現型。音楽は楽譜でかなりの部分が規定されるものの、演奏家によっても大きく変わります。そして、最終的には演奏となって表現される。私の理解はそんなところですが、合ってるのかな。この結論は、以前読んだマット・リドレー「やわらかな遺伝子」にも共通するもので(実験結果はこの本に書いてあるものと逆のものもありますが)、個人的には納得のいくものでした。

 

メモ

 

一卵性双生児が別々に育てられたのに、外見以外にも似ている面が多かったというエピソードのひとつ。一卵性双生児オスカーとジャックは、一方はユダヤ教徒としてイスラエルで、 もう一方はナチとしてドイツで育てられたが、二人が再会したときは次のような共通点があった。口ひげ・鎖つきめがね・両側に肩章がついたスポーツシャツ、 バターつきトーストをコーヒーにひたして食べる・トイレでは使用前に水を流す・雑誌は後ろから読む・女性に対しては命令的な態度をとり妻を怒鳴りつける。
同居する一卵性双生児のIQの相関は0.86であり、この数値は同じ人物があまり間をあけずに同じ知能検査を2回行ったケースに匹敵する。

 

 

日 本の小学6年生の一卵性・二卵性双生児に別々の英語教育を行った実験がある。一方は「文法訳読アプローチ」、もう一方は会話中心アプローチ。教師は同一人 物。結果は、どちらの教授法でも成果はあったが、主体となったアプローチ(文法訳読なら文法テスト)がより高い成績となった。しかし、言語性知能の高い子 は文法訳読アプローチでより大きく文法能力が伸ばせるという点は、教授法による差異となった。遺伝的資質と教授法の間には交互作用があるという結果であ る。

 

*1:これらの特質をどうやって数値化したのかにも興味はありますが。

 

『動物園というメディア』渡辺守雄ほか(青弓社00/8)を読む

動物園とは何か,と聞かれても明確な答えはできなかったと思う。あそこは自分が子どもの頃に連れて行かれ,結婚後に自分の子ども(そして孫)をつれて行くところだ。何の為に,それは野外リクリエーションだろう。
 この一冊は,動物園が情報発信基地として何をしているか、の視点で書かれている。

18世紀にヨーロッパで生まれた動物園は,王侯貴族が世界各地から収集(収奪)して来た動物コレクションを、単に珍奇なものとして扱わずそれの価値を明確にしようとした。
動物学,分類学や博物学の寄与は当然それら自身の発展をも促した。動物園は植物園とおなじように自然史博物館を構成する重要施設であり,大学や研究機関の付属施設となっていった。

一方日本では、1868(明治元)年薩長明治天皇政府が成立し、ヨーロッパに追いつこうとするさまざまな施策が次々と実行されて行ったが,動物園の内容については江戸期の興行的な珍獣扱いから,画期的な質的転換が見られなかった。
  日本最初の動物園は1882(明治15)年につくられ、開園1年で22万人以上が訪れた。所管は内務省および農商務省で,物産館的殖産振興政策が伺われる が,収集動物は百点未満。1886(明治19)年に所管は宮内省に変わる。上野公園の全域約66ヘクタール(約20万坪)が御領地とされたためだ。この動 物園と云う言葉は福沢諭吉が作ったと云われる。
 しかし動物園を皇室直轄のものとしながらも、国民に対する天皇イデオロギー強化の為に有効活用しようというには、かなりに中途半端だった。
 やがて上野動物園は1924(大正13)年に東京市に下賜され、新宿御苑内の動物園は1924(大正15)年に廃止された。
 以後しかし動物園は子ども相手の娯楽施設の側面をつよくもちながら運営される。

 第2次大戦下では、米軍の空襲で動物園の猛獣などが逃げ出さないようにと、動物の薬殺が行われ、それは戦後演劇等でも取り上げられた事件とされた。
 しかし1988年,全国84の動物園に5,840万人が訪れ,10年後の1998年には全国88の動物園に4,570万人が入場した。日本は今や世界でも有数の動物園活動が行われている。
ただそれを伝えるマスメディアの動物園観は、前近代的に娯楽施設か行楽地として固定化されがちで、それに加えて視聴率稼ぎに動物を擬人化したクイズ番組やお笑い番組などがTVにも溢れている。

 世界動物機構は《世界動物園保全戦略》で、21世紀の動物園・水族館は、希少動物の保存と環境教育をおこなう自然保護センターとした。これはかなりに広く問題を捉えているので,さらに具体化するとこうなる。
 1・自然(動物)認識に通ずる,市民野外レクリエーションへの寄与。
 2・野生動物の保全と社会への情報提供。
 3・動物学の推進と社会への情報提供。
 4・自然と人の共生をめざした、市民の環境学習と自然観の育成。

 この本は,7人の大学教授などと,2人の動物園勤務者によって書かれているので多少の重複などはあるが、以上が本書の非常に大雑把な内容となる。
 あらためて、動物園とは何か?を考える内容。

『脳の老化と病気』小川紀雄(講談社ブルーバックス99/2)を読む

サブタイトルは<正常な老化からアルツハイマー病まで>
 もう老化もかなりの段階に達して,いまさらこういうものを読んでも手遅れ感があるのだが、このサブタイトルにもある<正常な老化かアルツハイマー病か>については矢張り関心を持たざるを得ない。

 著者に依れば、この本は単に脳の老化をもととした疾患の解説をしただけではなく、記憶・学習,運動機能などの脳の働きの基礎知識,脳の老化,老年期を迎えるための心構えについてもページを割いたと云う。
第一章 脳の老化
第二章 記憶と痴呆
第三章 運動機能障害とパーキンソン病
第四章 老化の科学
第五章 脳の健康 

●老年期の痴呆性疾患で最も重要なものは、アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆で全体の90%を占めている。 
 アルツハイマー型痴呆も発症後3年ほどは、昔の記憶は比較的保持されるが、意欲減退・自発性低下が見られる。時に怒りっぽく不安焦燥感や妄想あり。
 日本では,このアルツハイマー型痴呆よりも、脳血管性痴呆が多い。
初期症状としては、不眠,抑うつ気分,体調不調といった不定愁訴,また喜怒哀楽が激しい感情失禁が出る。状況はまだら痴呆とよばれるような態をなす場合もある。普通は自分が病気だと云う自覚もあり、人格も比較的保たれている。

●生理的老化にともなう良性健忘と痴呆の相違。
前者の物忘れ症状=体験の一部を忘れ、そのことを自覚している。
後者の物忘れ症状=最近の体験を覚えられなく、そのことの自覚がない。 

●痴呆と鬱病の区別は、特に不眠や食欲不振の自律神経症状に見られ,痴呆の場合は症状がなく,鬱病では必ず発症するという特徴があるとのこと。それらの症状についても、痴呆の場合は軽く云ったり否認するが、鬱病の場合は記憶や知的能力の低下を強く訴えるという。

予防の結論で云えば,軽い運動で身体を鍛え,手を使う作業で脳のトレーニング/ブラス思考で心と身体の若さを保つ,ということになるらしい。

 すでに10年余り前に出版された本で、その後の研究で変わっていることもあるやも知れぬが,ともあれ自己診断のABCとして興味が持てるものだった。